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人が育つ組織は、「教える組織」ではなく「意思決定させる組織」
組織づくりを考えるうえで、いつも大切だと感じる問いがあります。
それは、「どうやったら人が育つのか」という問いです。
日々の仕事の中で、育成という言葉はよく使われます。
ただ、実際には「教えること」や「正解を伝えること」が育成だと捉えられがちです。もちろん、それ自体は必要です。しかし、それだけでは人は本当の意味では育たないのではないか、と感じる場面が増えてきました。
私たちが事業を伸ばしていくうえで本当に必要なのは、指示を待つ人ではなく、自分で考え、自分で決め、自分で前に進める人です。
人は、説明だけでは育たない
人の成長において大切なのは、知識の量だけではありません。
むしろ重要なのは、自ら意思決定した経験の量ではないかと思います。
迷う。
考える。
決める。
やってみる。
うまくいかなければ修正する。
この一連の体験を自分ごととして重ねることで、判断力が身につき、責任感が育ち、自信が生まれていきます。
反対に、常に上司や周囲が答えを用意してしまう組織では、その場はスムーズに進んでいるように見えても、判断できる人は増えていきません。
それでは、事業が大きくなったときに組織が支えきれなくなります。
全員が賛成する意思決定は、本当に安全なのか
組織の中では、できるだけ反対が少なく、全員が納得した状態で進めたいと考えがちです。
もちろん合意形成は大切です。ですが、すべての意思決定が「全員一致」でなければ進められない組織は、変化の早い時代には遅くなります。
特に、新しい挑戦や変化を伴うテーマにおいては、最初から全員が安心して賛成できるものばかりではありません。
誰も違和感を持たず、誰も不安を感じない意思決定だけを選び続けると、結果として無難なことしか選ばれなくなる危険があります。
IKEMARTのように、BtoBの現場課題をデータと仕組みで解決しながら、新しい価値をつくっていく事業では、時に不確実な中でも決める力が必要です。
だからこそ、組織としても「完璧な正解を待つ」より、仮説を持って決め、動きながら磨く姿勢が重要になります。
自信は、準備が整ったから生まれるものではない
もうひとつ、本質的だと感じるのは、
「自信があるからやるのではなく、やるから自信がつく」
という考え方です。
多くの場合、人は不安がなくなってから挑戦するのではありません。
むしろ、少し不安がある中でもやってみて、その経験の積み重ねによって自信が育っていきます。
組織の中でも同じです。
最初から完璧にできる人を待つのではなく、未完成でも任せる。
もちろん丸投げではなく、支える前提で任せる。
この積み重ねが、個人の成長だけでなく、組織全体の強さにつながっていきます。
IKEMARTが目指すのは、「判断できる人が増える組織」
IKEMARTは、単に商品を流通させるだけの会社ではありません。
私たちは、顧客やパートナー、ものづくり企業の課題に向き合い、データと仕組みで成果につなげるBtoBソリューションプラットフォームを目指しています。
そのために必要なのは、一部の人だけが優秀であることではなく、現場の一人ひとりが考え、判断し、改善できる状態をつくることです。
たとえば、日々の業務の中にも意思決定の場は数多くあります。
どの課題を優先して改善するか
どの提案が顧客にとって価値になるか
どの数字を見て、次の打ち手を決めるか
例外対応を個人技で終わらせず、どう仕組みに変えるか
こうした判断を、すべて上から与える組織ではなく、現場で意思を持って判断できる組織にしていくこと。
それが、IKEMARTの成長にとって不可欠だと考えています。
育成は、根性論ではなく「仕組み」で支えるべきもの
ここで大切なのは、挑戦を個人の気合いや根性に任せないことです。
「任せたから頑張れ」ではなく、
任せられる単位に仕事を区切ること、
判断の基準を共有すること、
失敗しても学びに変えられるようにすること、
必要なときには相談できる状態をつくること。
こうした環境があって初めて、人は安心して挑戦できます。
つまり育成とは、感覚的なものではなく、組織設計そのものです。
人が育つかどうかは、個人の資質だけで決まるのではなく、その人が意思決定できる構造になっているかどうかで大きく変わります。
これからの組織に必要なのは、「答えを持つ上司」より「決められるチーム」
変化が早く、不確実性が高い時代においては、上司がすべての答えを持ち続けることは現実的ではありません。
むしろ必要なのは、現場に近いところで素早く判断し、動けるチームです。
そのためには、上司の役割も変わっていく必要があります。
細かく指示を出すことではなく、判断軸を示し、任せ、必要なときに支援すること。
答えを与える人ではなく、意思決定できる人を増やす人であること。
それが、これからのマネジメントに求められる役割だと思います。
最後に
人が育つ組織は、教えることが上手い組織ではなく、
意思決定の機会をつくることが上手い組織だと思います。
自分で考え、決め、やり切る経験が増えるほど、人は強くなります。
そして、その積み重ねが、組織の強さになります。
IKEMARTもまた、そうした人と組織の成長を土台にしながら、顧客やパートナーにとって価値ある仕組みをつくり続ける会社でありたいと考えています。
人を育てるとは、単に教えることではない。
挑戦できる場を渡し、意思決定できる環境をつくること。
その視点を、これからも大切にしていきたいと思います。